「長期的な障害や死亡率を増加させる可能性があるため、時間をかけて追跡調査をしなければならない」と話しています。
奇形や縮小そのものが命にかかわることではないにしても、単純に泳ぎが下手になることで、天敵に捕食される可能性が増大するでしょう。
カニやロブスターは、商業的に価値のある生き物であるため、何らかの解決策を模索しなければなりません。
その一つとして、ヘリオット・ワット大学のアラステア・リンドン(Alastair Lyndon)氏は「海底ケーブルを地中に埋めて、カニやロブスターを電磁波から保護する」ことを提案します。
「この手法はコストがかかり、維持管理も難しいですが、すでに多くの海洋再生可能エネルギー開発で行われています。
今後は、この手法を積極的に取り入れて、水生生物を守る必要があるでしょう」
何らの手も打たないまま、海底ケーブルだけ無闇に増やしてしまうと、ロブスターの「溺れ死に」が大量発生するかもしれません。
※この記事は2022年5月公開のものを再掲載しています。
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参考文献
Underwater power cables make lobsters bad swimmers
https://phys.org/news/2022-04-underwater-power-cables-lobsters-bad.html
元論文
The Effects of Anthropogenic Electromagnetic Fields (EMF) on the Early Development of Two Commercially Important Crustaceans, European Lobster, Homarus gammarus (L.) and Edible Crab, Cancer pagurus (L.)
https://www.mdpi.com/2077-1312/10/5/564
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。