一方、鳥や魚といった他のペットも、精神的な癒しやストレス軽減効果が報告されています。
例えば、魚を眺めることで、血圧や心拍数を安定させ、リラックス状態をもたらすこと。(Cracknell et al., 2015)
鳥のさえずりを聴くと、心の落ち着きや幸福感が増すことがわかっています。(Hammoud et al., 2022)
しかし、犬や猫に比べ、魚や鳥といったペットについては、健康への具体的な影響を調べた研究がまだ十分に行われていないのが現状です。
そこで、研究チームは、オーストラリアの全国的なデータを使い、犬や猫に限らず、鳥や魚など他のペットも含め、ペットとの暮らしが死亡リスクにどのような影響を与えるか調査しました。
ペットが与える健康効果:4年間の追跡調査で判明
今回の研究では、オーストラリアの「HILDA調査」に基づき、15,000人以上の人々を4年間追跡しました。
(※HILDA調査:オーストラリア国民の世帯構成、収入、労働状況、健康などを毎年追跡する全国的な長期パネル調査)
追跡期間中に観察された、あらゆる原因による死亡リスク (全死亡率) を評価し、ペットとの暮らしが全死亡率に与える影響を分析しました。
また、年齢、性別、収入、健康状態などの要因を考慮し、ペットとの生活が純粋に、全死亡率にどのような影響を与えるか明らかにしています。
その結果、ペットと暮らしていない人と比べて、ペットと暮らす人の全死亡率は26%も低下することが判明しました。
特に、犬と暮らす人の全死亡率は23%減少することが確認されました。
さらに、調査結果によると、犬と暮らす人は週に平均30分以上の運動を行っていることがわかりました。
この運動習慣が、心血管疾患の予防や体重管理に貢献し、結果として全死亡率の低下につながっていると考えられます。