ペットとの暮らしは、癒しをもたらすだけでなく、寿命を延ばしてくれるかもしれません。
実際、ペットと暮らすことが健康に良い影響を与えることは広く知られています。
そして、共に暮らすペットの種類によって飼い主の寿命に差が出るという驚きの研究結果が、国立環境研究所、東京都健康長寿医療センター、豪メルボルン大学 (The University of Melbourne) の共同研究により示されました。
特に犬との暮らしで、あらゆる原因による死亡リスク (全死亡率) を大幅に低減させることがわかりました。
一方、猫や鳥、魚など他のペットでは、犬ほど全死亡率低減の効果がはっきりせず、現時点で明確な結論は出ませんでした。
研究の詳細は2024年8月14日付で学術誌『PLOS ONE』に掲載されています。
目次
- ペットとの暮らしが健康に与える影響とは?
- ペットが与える健康効果:4年間の追跡調査で判明
ペットとの暮らしが健康に与える影響とは?
ペットと暮らすことで、身体的、心理的、そして社会的な健康に良い影響を与えることは、これまで多くの研究で確認されています。
特に、犬や猫との暮らしが健康に与える影響については、その効果が広く認められています。(Gee et al., 2019)
犬を飼うことで、散歩や外遊びといった日常的な運動が増え、自然と身体を動かすことが習慣化します。
その結果、心血管疾患の発症リスクが低下し、寿命が延びる傾向があると報告されています。(Kramer et al., 2019)
また、犬とのふれあいや散歩を通じた社会的な交流は、孤独感を和らげ、精神的な健康に寄与するとも考えられています。
猫との暮らしも、健康に大きな影響を与えることがわかっています。
猫との触れ合いは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、リラックス効果をもたらします。(Pendry et al., 2019)