決戦の前に石破、高市氏の順に最後の5分のスピーチがありました。実は私はこれを見て「石破氏で決まりだな」と思ったのです。それぐらい石破氏は聞き手を引き込み、安定したスピーチだったと思います。言葉ひとつ一つに迫力があり、信念があり、よどみなく、日本を守るということを訴えたと思います。一方、高市氏は壇上に上がった際の「礼(おじぎ)」がなっていませんでした。小学生がチョンと頭を下げる感じで風格感なし。そして石破氏の上手なスピーチの後だったこともあり、平凡で薄っぺらな印象に留まり、挙句の果てに制限時間を1分近くオーバーしてしまいました。議員らの判断がこのスピーチで左右されたとは思いませんが、一定のインパクトはあったと思います。

さて、石破氏は早期解散と言っています。日程的にアメリカ大統領選の前に決着をつけたいと考えているかもしれません。個人的には100日のハネムーンと国会論戦を経てからでも良いと思いますが、別の考え方として党内ベクトルが不穏になる前に選挙を終えてしまうという石破氏的戦略はありえます。時間が経てば党内の保守派からは一定の失望感が漂い、閉塞感すら生まれるとみています。裏金問題で自民党再生を謳っていたのに別の難問を抱えたような気がします。

岸田氏就任の時「長くなる」で予想が当たった私が考えた石破政権の行方は「サプライズいっぱい!」だと思います。最大の注目点は野田佳彦氏とあまりにも似ているのがどう影響するかであります。お2人とも庶民派を装っていますが、実際は威風堂々の構え。政策的にはかなり近いものがあります。私はいつか野田氏と大連合を組むのではないかという気すらするのです。その場合、国民民主なんて押しつぶされてしまう勢いになるでしょう。一方、自民は党内が割れそうです。保守派が分離して新党立ち上げの可能性の芽は現実のものになるとみています。どっちが先かわからない「卵とにわとり(=与野党大連立と自民の分裂)」の話はあり得ると思います。