「総合商社の社員というのは、ある意味で選ばれた人材」

 では、世間的には高いとされる総合商社の年収について、社員たちは割に合うと感じているのだろうか。

「人によるでしょう。総合商社の仕事というのは、非常に面倒かつリスクの高い誰もやりたがらない業務を、他の企業に代わって行うという側面が強く、かかわるステークホルダーも膨大な数に上るため、重いストレスに耐えなければなりません。なので『こんなに大変な仕事をしているのだから、これくらいの賃金をもらって当然』と考える人もいるでしょうし、『ちょっともらいすぎかな』と感じている人もいるでしょう」

「総合商社の社員というのは、ある意味で選ばれた人材です。非常に複雑な仕事に取り組み、ハードワークに耐えなければならないため、一定の知的能力とコミュニケーション能力、高い各種ビジネススキル、そして体力とストレスに耐えられる精神力が必要なので、誰もが務まるわけではないですし、入社試験では東大生でもバンバン落とされる狭き門です。そうした前提があるなかで、総合商社各社は優秀な人材をライバル企業と競って獲得しなければならないので、高い給与水準を用意せざるを得ないという事情もあるでしょう。

 とはいえ、より高い報酬を得られる外資系経営コンサルティング会社などに転職する人も最近は増えています。総合商社はいまだに年功序列的な部分が残っており、どんなに早くても課長になれるのは40歳手前、部長は40歳以上なので、その遅いスピード感に堪えられない上昇志向の強い人などがコンサルに流れています」

 総合商社にはどのようなタイプの社員が多いのか。以下は伊藤忠社員の証言だ。

「他の商社と比べると体育会系出身の人が多く、東京大学や京都大学、大阪大学などの国立大学や早稲田大学、慶應義塾大学など上位大学で体育会に所属していたというタイプが多い。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)出身の人も結構いるが、本当に優秀な社員は東大出身が多かったりする」(24年9月9日付当サイト記事より)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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