■ タスク詐欺とは

 今回、田中さんがひっかかってしまった手口は、田中さんが自身で調べて気づいたとおり「タスク詐欺」と呼ばれるものである。以前、編集部でも潜入取材をして紹介している。

 主な入り口はInstagramをはじめとするSNSの募集広告。以前は堂々と、「動画を見るだけ」とうたっていたが、近ごろニュースで度々報じられたこともあり、ごまかすために見た目を今回のように「ボールペンの内職」などに変えているのだろう。

 その後の流れについては、田中さんが今回聞かせてくれた流れと、前に編集部で潜入取材をしたときと全く同じ。報酬の引き出し用に、怪しい投資サイトに誘導される流れも全く一緒だ。

 ちなみに田中さんは今回2000円の報酬を得ることができた。今後もしこの話をすすめていたらどうなるか?

 数回は、同じように動画を視聴する作業をさせられ、その都度金額が貯まれば数千円の報酬を受け取ることができるだろう。しかし最終的には「引き出すためのお金が必要」などといいだし、お金を取られることになる。

 と、ここまで読んだ人の中には、毎回2000円もらって一回で辞めれば収入になるのでは?と思った人もいるかもしれないが、絶対にやめてほしい。

 振り込みに指定した口座番号、名前、電話番号など、詐欺師に伝えてしまった個人情報はこのあと、「詐欺師のカモリスト」に登録され、詐欺師界隈で共有される可能性がある。気づくと犯罪に巻き込まれているかもしれない。 

(山崎尚哉)

提供元・おたくま経済新聞

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