日本でも、「昔から存在してきた古い薬」より、この新しい薬に期待している人がいるかもしれません。
では実際のところ、これら様々な片頭痛薬の中で、最も効果的な薬は何でしょうか。
最強の片頭痛薬は「新薬」ではなく「トリプタン」だった
今回、チプリアーニ氏ら研究チームは、片頭痛薬に関する過去の研究137件を対象にしたメタ分析を行いました。
この分析に参加したのは、片頭痛と診断された成人8万9445人であり、17種類の片頭痛薬が彼らにどのような影響を与えたのか比較調査しました。
その中には、最近登場したゲパント、眠気などの副作用がある比較的新しいラスミジタン、昔から存在するアスピリン、イブプロフェン、トリプタンなどが含まれていました。
そして薬の効果性に関しては、「2時間後の痛みの緩和」と、「24時間の持続的な痛みの緩和」についてそれぞれ評価されました。
その結果、2時間後に最も痛みを緩和するのは、以前から存在してきた処方薬トリプタンだと判明しました。
また、24時間優れた緩和効果を発揮するのは、トリプタンとイブプロフェンだと分かりました。
つまり、約9万人を対象にした大規模研究により、即効性と持続性の両方の観点でトリプタンが最強だと判明したのです。
では、最近登場したゲパントは、どのような評価だったのでしょうか。
研究結果によると、最新のゲパントや比較的新しいラスミジタンは、アスピリン・イブプロフェン・ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NASID)と同程度の効果があるようです。
注目を集めている新薬ゲパントは、確かに片頭痛に効果があるものの、実は日本で簡単に手に入る市販薬と同レベルだったのです。
研究チームは、今回の結果から、医師がまずトリプタンを処方することを推奨しており、心臓などに血管障害がある場合には、アスピリンやイブプロフェンなどの選択を勧めています。