アスピリンは熱を下げたり痛みを抑えたりする働きがあり、これが含まれる商品として代表的なのは、『バファリン』でしょう。
イブプロフェンも炎症や痛みの原因物質の産生を抑制する薬であり、商品名としては『イブ』が有名です。
ちなみに日本では、ロキソプロフェンもよく使用されており、一般的にはアスピリンやイブプロフェンよりも効果が強いと言われています。
こちらも『ロキソニンS』などの商品名で市販されており、比較的簡単に入手できます。
そして、これらの薬でも痛みが緩和されない場合、医者からトリプタンを処方されるかもしれません。
トリプタンはセロトニン受容体に作用して血管を収縮させたり、血管拡張に関わる物質の放出を抑制したりします。
ただし、その血管収縮作用ゆえ、脳や心臓などの血管障害がある人には使用できず、医師の処方がなければ入手できません。
これらの薬は何十年も前から存在しており、患者たちに長年使用されてきました。
一方で、最近になって新しい片頭痛薬も登場しています。
新薬「ゲパント」の登場
最近、ゲパント(CGRP受容体拮抗薬)と呼ばれる新しい片頭痛薬が登場し、話題を呼びました。
片頭痛の原因の1つであるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、血管の拡張と炎症反応を引き起こすことで知られており、新しいゲパント系の薬は、この受容体を阻害することで、片頭痛の発症や進行を抑えてくれます。
そしてこのゲパントは、これまで使用されてきた処方薬トリプタンに比べて、心血管系への影響が小さいと考えられています。
今のところ日本ではゲパント系の薬剤は承認されていませんが、既にアメリカや欧州ではいくつかのゲパント薬が承認・使用されています。
そのため、長年片頭痛に悩まされてきた患者たちは、この新しいゲパント(承認されている国では高価)に期待を寄せてきました。