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いいクルマを作れば売れるのか?という問いへの模範解答
コンセプト一新!「安くてよく走るクルマ」から脱却に挑戦
いいクルマを作れば売れるのか?という問いへの模範解答
「成功したのになんでやめちゃったの?」画期的かつ個性的!元祖リッターカーことダイハツ シャレード【推し車】”で以前紹介した、ダイハツの元祖リッターカー、「シャレード。」
MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」でノミネートされるほど存在感あるクルマで、1993年デビューの4代目でアッサリ消えてしまったのが不思議なほどですが、その転換点となったのが今回紹介する3代目でした。
「とにかく安ければいい」リッターカーからの脱却を図った意欲的なモデルであり、それ自体にはある程度成功したものの、「シャレードってそういうクルマでいいんだっけ?」という、深刻な疑問が表面化したモデルでもあったのです。
コンセプト一新!「安くてよく走るクルマ」から脱却に挑戦
1987年、3代目へとモデルチェンジしたダイハツ シャレードのリリース文には、「広くて小さい快適な(楽しい)経済車」から、「若々しい感性のコンパクトクオリティカー」へと、2代目以前のコンセプトから脱却することを強くアピールしていました。
シャレードと言えば、初代(1977年)には4サイクルエンジンでは当時珍しかった直列3気筒1リッターエンジンを搭載し、小さくとも広くて経済的な「5平米カー」として人気となり、2代目(1983年)もその正常進化版かつディーゼル搭載でさらに経済性アップ。
小さくても広さは十分、軽いから1リッターのガソリンエンジンどころかディーゼルエンジンでもよく走るし、燃費もよくて経済的…と、「安くてよく走るクルマ」としては満点に近い合格点を出せたクルマです。
しかし3代目は一回り大きくなったスタイリッシュなワイド&ローフォルムに、ホットモデルでは電子制御インジェクションの1リッター3気筒DOHC4バルブ・インタークーラーターボの豪勢なエンジンを搭載。
ボディが大きくなったので、多少ルーフが低くとも車内は広々、質感が上がった内装に前席はフルフラット可能、後席もリクライニング&座面を前方に跳ね上げてから背もたれを前に倒す2アクションでフルフラットな荷室を作れると、これまた贅沢な作りです。
「とにかく安く軽くでよく走る」からずいぶん出世したものですが、この頃のダイハツは1989年から始まる対米輸出を視野に入れていて、プラザ合意(1985年)後に進む円高ドル安体制で、リッターカーでも高価だから高品質に…という想いがあったのでしょう。