大きなプレッシャーのかかるシチュエーションで、運動に関する脳回路が問題を起こすその領域が特定されたことで、将来的には大きなプレッシャーのかかる本番で失敗しなくなる薬などを開発できる可能性も出てきました。
こうした薬がドーピング扱いされないのであれば、本番で練習成果が発揮できないという悲しい出来事は起きなくなるかもしれません。
※この記事は2023年4月公開のものを再掲載しています。初掲載時、本研究は査読前論文でしたが、2024年9月に科学雑誌『Neuron 』に掲載されております。
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元論文
A neural basis of choking under pressure
https://doi.org/10.1016/j.neuron.2024.08.012
Monkeys exhibit a paradoxical decrease in performance in high-stakes scenarios
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2109643118
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。