これは従来の発見率より16倍も高い数字だといいます。
一挙に303点の地上絵が見つかったことで、既知の地上絵の総数はほぼ倍増したことになりました。
こちらが新たに発見された地上絵の数々です。(地上絵はわかりやすいように白線でなぞられています)
地上絵は2タイプに分かれる!その目的の違いも
さらに地上絵のサンプルが大量に増えたことで、ナスカの地上絵は主に2つのタイプに分けられることが明らかになってきました。
1つは大型サイズの線状に描かれた「線タイプ」で、もう1つは小型サイズの面的に描かれた「面タイプ」です。
線タイプには有名なコンドルやハチドリ、クモといった野生動物が含まれます。
また線タイプは、直線や台形によって構成された神聖な場所に向かう巡礼路周辺に描かれていました。
これは「複数の集落による共同体レベルの儀礼活動に利用された可能性が高い」ことを意味しているといいます。
一方の面タイプは人間自身や人間によって飼育された家畜が主に描かれていました。
研究者いわく、面タイプはナスカ台地の曲がりくねった小道の側に描かれる傾向があり、一種の「掲示板」のような役割を果たしていた可能性が高いといいます。
つまり、大型の線タイプのような共同体レベルの儀式のためではなく、個人あるいは小規模なグループの儀礼活動に使われていたと見られます。
今回の成果を踏まえてチームは「AIの能力をさらに向上させることで、より多くの地上絵の発見につながるだろう」と述べています。
またナスカ文化は文字媒体を持たなかったため、土器や壁、布などに描かれた絵の組み合わせに、社会的に重要な情報が書き込まれていることがあります。