(※ 東京23区がだいたい622平方キロメートル)
そんな中、山形大学は2004年に「ナスカ地上絵プロジェクトチーム」を結成し、地上絵の発見と保護活動を積極的に押し進め、驚くべき成果の数々を上げてきました。
調査チームは人工衛星や航空機、ドローンといったリモートセンシング技術を駆使してナスカ台地を精査し、未発見だった地上絵の存在を次々と明らかにしています。
これまでに見つかっているナスカの地上絵は430点ほどですが、そのうちの318点は山形大学のチームが見つけたものでした。
この実績が評価されたことで、ペルー文化省から直々にナスカ台地での学術調査を正式に許可された世界で唯一の研究機関となっています。
とはいえ、ナスカ台地にはまだまだ調べられていない土地がたくさんあります。
同チームはさらなる地上絵の発見を求めて、米IBM研究所と提携し、AIを活用した先進的な調査を行いました。
AI活用により「6カ月で303点」の地上絵を新たに発見!
ナスカ台地での現地調査を効率的に進めるには、地上絵が分布している可能性が高い場所を特定する必要があります。
そこでチームはAIの助けを借りて、飛行機から撮影した膨大な量の空中写真を分析することにしました。
上空から撮影した地上の画像データをAIに分析させて、その形状から地上絵の存在を特定するのです。
このAIを駆使した調査方法により、地上絵が存在する可能性の高いエリアを効率的に見つけることが可能となりました。
そしてAIにより合計1309件の有力な地上絵の候補が提示され、その約4分の1について現地調査を行った結果、わずか6カ月間で合計303点の新たな地上絵を発見することに成功したのです。