研究グループは、膝や股関節を伸ばすメジャーな筋肉が最も発達していると予想していたため、得られた結果には驚いたと同時に、トレーニングや競技で最も使用する筋肉が特に発達していたことを踏まえ、運動刺激によって、人間の筋肉が成長できることを示すものだと述べています。

この記事を読んでいる人の多くは、彼ほどに筋肉を大きくすることは望んでいないでしょうが、筋肉を成長させるために、日々の取り組みが鍵となることは誰しも同じです。

実際、彼は何も特別なメニューをやっていたわけではなく、スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、バーベルローなど、筋トレ愛好者の多くが好む種目を日々継続することで、筋肉を大きくさせていました。

ただ本当に凄いのは、食事量にあって、当時、彼は1日6〜7食、合計で16000kcalも摂取していました。

YouTubeで彼の食事を振り返る動画を見ると、朝食だけで2000kcalを摂っており、これは成人女性が1日に摂取するカロリー(目安)に匹敵します。

エディ・ホール氏の朝食
エディ・ホール氏の朝食 / Credit: Eddie Hall The Beast, I ate my old Strongman diet for a day

筋肉は脂肪に比べて、安静時でも多くのカロリーを消費しますが、身体全体に筋肉の鎧をまとい、日々トレーニングを続けた彼が消費するエネルギーは、相当なものであったと想像できます。

実際、大食漢のトップアスリートは他にも存在し、トップアスリートの成功の秘訣として語られることもあります。 たとえば、夏季五輪で28個のメダルを獲得した「水の怪物」ことマイケル・フェルプス氏は、現役時代に1日1万2000kcalも摂取していた時期があり、「良く食べ、良く睡眠をとり、良く泳ぐこと。これが僕にできることのすべてだ」とも語っています。

ということで、エディ・ホール氏の真の強さは、常人には食べられないボリュームの食事を摂ることで、身体を回復させながら重い物を日々持ち上げることを可能にした強靭な内臓にあったと言えるでしょう。