もう一つ、石破、小泉氏のどちらかが総裁になった場合、自民党内部の力関係は分裂を引き起こす可能性が高いと見ます。組閣を見る必要がありますが、メンバーはかつての常連メンバーからかなり入れ替え戦が起きるのではないかとみています。特に小泉氏の場合、氏自身が閣僚経験がほとんどない中でどのように組閣するのか、皆目見当がつかないのです。ましてや党役員人事は私の想像の域を超えます。
その上、小泉氏は衆議院早期解散を目指しているとされます。なぜそこまで急ぐのでしょうか?自身への付託の確認でしょうか?私はもう一つあるとみています。それは安倍派離脱分裂の準備をさせないということではないかと思うのです。小泉氏の父が総理の時、多くの議員は「なんでこんな風になったのだろう」と嘆いたのです。全く想定外の動きでそれまでの常識論をぶっ飛ばしてしまいました。つまり小泉家に議員を縛るチカラはない、よって小泉氏が首相ならば自民は分裂する公算があり、保守派がごっそり抜けて新党立ち上げをする可能性はなくはないとみています。
石破氏になったらもっと想像ができない、それが素直な意見です。下手したら将来、立憲と連立を組む可能性すらあります。公明との関係も強化し、日本に中道左派の大母体が誕生、そんな気がしてならないのです。中道左派政権になると何が困るか、といえば最大の懸念は外交、次に経済成長です。外交は言うまでもなく、対中国外交がかなり穏便な状況になると予想されます。
経済については中道左派、リベラルとも称する政策は基本的に中間層の厚みを増す政策が主体になり、ばら撒き、底上げ型政策になります。ところがその場合、トップを走るリーダー育成が弱くなる傾向が見えてしまいます。強い企業や強い経営者は苦境の中から生まれるものでぬるま湯からはなかなか成就しにくいものなのです。
では高市氏はどうなのでしょうか?この場合、野田氏と正面ガチンコ勝負になるでしょう。保守派には好都合かと思いますが、組閣で旧安倍派を排除しにくくなり、野党とマスコミから叩かれる公算があります。また先日、高市氏は日銀が利上げしている姿勢を強烈に批判しています。これは私から見ると「本来、日銀の独立性からして言ってはいけないこと」を平気で述べている点で大丈夫かなぁ、と思うのです。日銀政策は政治に影響を受けてはいけないのです。