■ネット上で驚きの声

ラッコが貴重な存在になっていることはネット上でも話題に。

「前はどこにでもいるイメージだったのに」「国内でラッコが見られる水族館は2ヶ所ってまじかよ…」「子供の頃、水族館のラッコ見て夏休みの日記に書いたのに」「マリンワールドのラッコそんな貴重だったとは。地元民ですら知りませんでした」など、驚きの声が多数あがっている。

なぜ、ラッコはこれほど減ってしまったのか。貴重な2頭を飼育している鳥羽水族館に取材したところ、「意外な事実」が明らかになったのだ…。

■ラッコの数が減った理由は…

鳥羽水族館の担当者によると、本来ラッコは繁殖力が強い生き物だという。担当者は頭数が減った背景に関してこう分析する。

「日本で飼育が始まって10年ほどは非常に活発な繁殖行動がみられ、飼育頭数は増加していきました。しかし、国内の施設で繁殖を繰り返すことにより繁殖力に問題が出てきました。また、海洋哺乳類保護の観点から、アメリカ国内において海棲哺乳類の捕獲が厳しく制限されるようになったことで、新しい血統を導入することもできなくなりました」。

海外からラッコを輸入するのが難しくなったことに加えて、個体の老齢化が進んだことも相まって、段々と頭数が減ってきていると考えられるとのこと。

ピーク時には、国内の水族館で122頭飼育されていたが、半数以上が国内で繁殖された個体だったという。担当者によれば、この頃からラッコの数が減少する要素があったとも考えられるとのこと。