また他の科学者によると、クマムシはガラスやプラスチックのペトリ皿の上を歩くことはできないため、何もできずに暴れ回るよりも、たまたま出会った線虫をつかむことを選んだと考えられるようです。

ちなみに、ゲルドホフ氏は「線虫がクマムシを食べることもある」とコメントしています。

一方でクマムシの種類によっては、クマムシが小さな線虫を丸呑みすることもあります。

そのため「線虫にしがみつくクマムシ」という微笑ましい映像の背後には、「食べるか食べられるか」といった2匹の微妙な関係性が隠れているのかもしれません。

そしてこのゲルドホフ氏の動画は、顕微鏡写真コンテスト「2024 Small World in Motion Competition」でも高い評価を受け、多くの作品の中から5位に輝きました。

最強生物「クマムシ」の名は、その可愛らしい騎乗姿と共に、新たに歴史に刻まれることになったのです。

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参考文献

Wild Video Captures Baby Tardigrade Riding Its Predator
https://www.sciencealert.com/wild-video-captures-baby-tardigrade-riding-its-predator

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部