一方で、「スマホで本を読むと、強すぎる認知負荷がため息を防ぐことになり、そのせいで脳が過活動状態に陥ったのではないか」と説明します。
それが最終的に、読解力の低下を引き起こしているのかもしれません。
スマホの場合に、認知不可が高まってため息が低下する原因については、スマホ画面の明かりが脳の覚醒状態を高めている可能性が予測されます。
よく就寝前にスマホ画面を見ていると眠れなくなるという話と関連するかもしれません。
そこで本間氏は「電子機器を長時間使用する人は、意識的にでも深呼吸を取り入れることを提案したい」と述べています。
深呼吸をすることで、脳がオーバードライブ状態に陥ることを防ぎ、認知機能の風通しをよくできる可能性があります。
一方で、本研究の参加者は、20歳前後の若者のみであり、他の世代でも同じ結果になるかどうかはわかりません。
彼らは、生まれたときからインターネットが身近にあった世代であり、電子機器には日頃から十分に慣れています。
しかし、インターネットに馴染みのない世代や、普段からあまり使わない人は、認知負荷がさらに高まることも考えられます。
そのため、逆にもっと若い世代へ目を向けていくと、こうした効果が徐々に緩和されていく可能性も考えられます。
こうした点は、今後の研究課題となります。
けれど、どういったところで現代の私たちの生活は、もはや電子機器の利用から切り離すことはできないでしょう。
もし、スマホ読書で「内容が頭に入ってこない」と感じたら、深呼吸を取り入れるか、あるいは紙の本に立ち戻るのがいいかもしれません。
※この記事は2022年4月公開のものを再掲載しています。
全ての画像を見る
参考文献
Reading on a smartphone promotes overactivity in the prefrontal cortex and lowers reading comprehension, study finds
https://www.psypost.org/2022/04/reading-on-a-smartphone-promotes-overactivity-in-the-prefrontal-cortex-and-lowers-reading-comprehension-study-finds-62848