また、統計によると、100歳以上の人々の約半数が自宅や家に住んでおり、約7000人は老人ホームや介護施設などの共同施設に住んでいる。総人口に対して、ハンブルク、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、ザクセンでは最も多くの100歳以上の人々が暮らしている。高齢者が最も多い都市はヴュルツブルクで、1万人当たりほぼ5人が100歳以上だ。そして高齢な人々が増加している理由は、生活環境の改善、医療の進歩、そして豊かさの増加だという。
ドイツの平均寿命は再び上昇してきた。連邦統計局によると、2023年には男性も女性も前年より平均約0.4歳長生きしている。それ以前は、コロナパンデミックの影響で2020年から2022年にかけて2019年と比較して平均寿命が0.6年短くなっていた。昨年のドイツの平均寿命は、女性で83.3歳、男性で78.6歳だ。
ただし、ドイツでは、社会的に貧困層の人々は、富裕層の人々よりも早く亡くなる傾向が見られる。ロベルト・コッホ研究所が専門誌「The Lancet Public Health」に発表した研究によると、この不平等は過去数十年間で拡大してきたという。平均寿命と貧富の格差問題だ。どの国でも見られるが、欧州の経済大国ドイツでもそれが表面化している。
参考までに、韓国統計庁の「2015年北朝鮮主要統計指標」によると、韓国の平均寿命は男性が78.2歳、女性が85.0歳、北朝鮮は男性が66.0歳、女性が72.7歳で、南北の差は男性が12.2歳、女性が12.3歳だった。データは少し古いが、南北間の寿命の格差は深刻だ(「北の金王朝は国民の寿命を奪った」2015年12月22日参考)。
ドイツ国民の多くは、1980年代、90年代より長生きし、豊かに生活できるようになったが、未来に不安を感じる人が増えてきたといわれている。80年代、90年代のドイツ人は現代ほど豊かではなかったが、未来に対してまだ希望的だったというのだ。その一方、高齢者の増加、平均寿命の上昇で、社会は急速に高齢化してきている。