またほとんどの人は、ラフレシアの開花を実際に見たことがありません。
なぜなら開花は数日しか続かず、すぐに枯れてしまうからです。
さらにもともと生息域が限られているだけでなく、その個体数も減少しています。
まさにラフレシアは、知名度だけは高い「幻の花」なのです。
ちなみにラフレシアの花言葉は「夢現(ゆめうつつ)」であり、この言葉も「幻の花」を表すにはピッタリだと言えますね。
こうした背景にあって、研究チームは、マレーシア・サラワク州ナハ・ジャレー地域を調査しました。
そして、その地域に生息するラフレシアの新たな個体群から、成長過程を明らかにしたのです。
現実のラフレシアのほとんどは「クサイハナ」止まりだった!?
研究チームは、マレーシア・サラワク州ナハ・ジャレー地域で新しく見つかったラフレシア種の個体群を解析しました。
その結果、サラワク州の象徴種であるラフレシア・トゥアンムデ(学名:Rafflesia tuan-mudae)だと判明。
さらに、ラフレシアの成長過程を次のように観測できました。時間の順序は画像のアルファベットに対応しています。
- (a)ラフレシアの花芽はホスト植物の幹上に形成。写真は2.5cmの花芽
- (b-d)1年かけてゆっくりと成長
- (e)開花直前には直径25~30cmまで成長
- (f-g)成熟した花芽は2日程度かけて開花
- (h)完全な開花が1~2日続く
- (i)その後急速に腐敗
ラフレシアの花芽の成長は、初期および若年期(直径10cmまで)で非常に遅いものの、開花直前には急激に成長すると判明。