バチカンの文書は、「信仰生活の健全な実践を促進している」ことを肯定的な実りとして強調し、メジュゴリエを訪れた多くの人々が、信仰を発見したり、再発見したりする「多数の回心」があり、告解や聖体拝領への回帰、聖職者の召命、「夫婦間の和解や結婚・家族生活の再生」が数多く見られると記している。

マリアの出現やさまざまな奇跡はカトリック教会の伝統の一部であり、民衆信仰においても大きな影響を与えている。フェルナンデス枢機卿は「これらの出来事はしばしば霊的な成果や信仰の成長、信心深さ、兄弟愛、奉仕精神を生み出し、いくつかの巡礼地が世界中に広まり、民衆信仰の重要な一部となってきた」と述べる一方、「超自然的な起源を持つとされる出来事の中には、信者に害を及ぼす深刻な問題が発生することもある。特に利益、権力、社会的な名声、個人的な利益を得るためにこれらの現象が利用される場合がある」と指摘することを忘れていない。

なお、18世紀以降、聖母マリアの出現は「私的啓示」とされてきた。カトリック教義によれば、信者は私的啓示を信じるかどうかは自由だ。聖母マリアの再臨現象で興味深い点は、世界が経済的、政治的危機、たとえば飢饉、疫病、不作などの時に頻繁に出現していること、そして多くは子供たちの前に現れていることだ。例えば、1850年代、1870年代、第一次世界大戦、そして1930年代初頭に多くの聖母マリアの出現が記録されている(「聖母マリアはなぜ頻繁に出現するか」2023年8月19日参考)。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。