バチカン教理省は今年5月、1978年から施行されていた超自然現象の評価基準を更新した。新しい規範は、地方司教がマリアの出現やその他の現象をより迅速かつ効果的に判断する助けとなるもので、宗教的実践が霊的に支持されるかが重視され、民衆信仰に関する迅速な評価が可能となる。
新しいガイドラインでは、出現が超自然現象かどうかを教会が公式に判断する必要はなく、その場所での宗教的実践が牧会観点から推奨されるかどうかが重要視される。評価には6段階があり、「Nihil obstat」から「さらに観察する」(ラテン語で「pro oculis habeatur」)、監視下での管理(「sub mandato」)、さらには禁止(「prohibetur」)まである。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、地元の司教と、巡礼地での牧師活動に中心的な役割を果たしているフランシスコ会士との間で対立があった。また、一部の「預言者」たちが非常に詳細な聖母マリアのメッセージを報告し、それを政治や教会内の議論に利用しようとしたこともあった。今回の文書は「聖母マリアの再臨現象が超自然的な性質を持つという宣言ではなく、信者がそれを信じる義務はないことを強調しながらも、『Nihil obstat』は、この霊的な提供を通じて信仰生活において肯定的な刺激を得ることができ、公的な崇拝が許可されることを示しているだけだ。
メジュゴリエに現れた聖母マリアは自らを「平和の女王」と呼び、「私は世界の救いのために、ここに平和をもたらすために来た。真の喜びは神の中にあり、そこから真の平和が生まれるため、私は回心を求める」(1983年6月16日)というメッセージを残している。これは、隣人愛の実践の実りであり、「カトリックでない者への愛をも含む」ものだ。この点は、宗教的対立が関与した悲惨な戦争を経験したボスニアのエキュメニカル(宗教間対話)および宗教間の文脈においても重要な内容と受け取られている。