最初にご紹介するのが、3tの挙上パワーを持つフロアジャッキだ。自分でタイヤを交換する場合は車に積載されているパンタジャッキを使って、グリグリと回して上げる方が多いと思うが、このハンドルが回しにくく接続部が外れやすかったり、かなりの回数を回さないと上がらなかったりと、とにかく使いにくく苦労する。しかし、このフロアジャッキなら、数回ポンプするだけでジャッキポイントへアクセスでき、そこからもやや力を入れるだけで驚くほど簡単に車体が浮いていく。

実験車両のミツビシ・デリカD5は、ドアのすぐ下にジャッキポイントがあり、車体の下深くまで体を入れる必要がないので、このフロアジャッキだとタイヤが浮くまで1分もかからなかった。タイヤを交換したあとにバルブから圧力を抜くのも一瞬で、しかもゆっくりと任意の速度で降ろせるので、安全面も高く非常に使い勝手は良かった。

フロアジャッキを車体横のジャッキポイントにかける場合は、
同社のEM-226N エマーソン サイド掛けジャッキアダプターを
かませた方が安定し、車体への傷も防げる。実勢価格1200円~2000円。
この突起が油圧バルブ。ハンドルを差し込み右回転で締め、左回転で油圧を抜く。
本体は15kgとやや重いが、しっかりとしたハンドルがあるので持ちやすい。
最低位置は135mmで最高位置は435mmもあるので、車高のあるSUVなども使用可能だ。

今回は片側のみを上げてタイヤを交換したが、ジャッキスタンドが二つあれば、車体の中央部を上げて左右同時に交換できるのも利点(その際は必ずジャッキスタンドを左右にかけるのが必須)だ。本体重量が15kgとやや重いのと収納場所が必要になるが、市場の流通価格は約1万円前後なので、毎回パンタジャッキでグリグリしていた筆者は猛烈に欲しくなったのが正直なところ。