吉田キャンパスの南に佇む吉田南キャンパス。その南端の近衛通沿いには南欧風の建物が建っています。楽友会館と呼ばれるこの建物は大正末期に京大の助教授だった森田慶一氏の設計により建てられたもので、現在も教職員の学術交流の場として利用されています。

京大の中を歩いているとさまざまな様式の建物が建てられているなと感じます。学内で統一性がないのはどうなんだと疑問を感じる一方でそれが自由な学風を前面に押し出す京都大学らしさなのかもしれないとも思います。

ちなみに楽友会館の北には1913年築で建築学的にも歴史的価値の高い吉田寮がありますが、学生たちの住まいなので遠くから眺めるにとどめることにします。

東アジア人分情報学研究センター

最後に訪ねたのは「東アジア人文情報学研究センター」。吉田キャンパスの東、銀閣寺に近い住宅地の中に佇む南欧・北イタリア風の建物で豊かな装飾が目をひきます。北イタリア風の建物なのに研究しているのは東アジアというアンバランスさが面白いところです。

建物の壁にアクセントとして設置された日時計。

現在も研究施設として機能しているため非公開となっていますが、なんとも目をひく建物。1年に1度でいいので内覧できる日があるといいなと思います。

西の最高学府として現在もその名を轟かせる京都大学。そのキャンパスはバラエティ豊かな歴史的建造物が並ぶ歩いていてとても楽しい場所でした。

あくまで学校であり、学習、研究のための機関ではありますが学内の散歩は自由ですので、邪魔にならないように構内を歩いて静かに建築を楽しむ散歩をするのもいいのではないかと思います。

編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年9月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。