一方でストレス耐性が高い人は、相手の話を深刻に受け止めすぎず、自我が強いタイプだ。彼らは他人の意見や感情に適度に耳を傾けつつ、感情を入れずにフラットに聞く。相手の話の「感情」を受け取らず、「情報」だけを処理をするイメージだ。そのため、自分の問題として重く捉えず、心を響かせることを選ばない。特に、経営者やリーダーシップを持つ人たちにはこの傾向が顕著である。
よく「経営者はサイコパス」や「人の気持ちがわからない」などと言われることがあるし、確かにそういう感じの経営者は世の中にいる。だが、実はそれが良い経営をする上で必要な資質でもある。なぜなら、会社を経営する上では、時に感情を殺して冷徹な判断が求められるからだ。
例えば、会社に合わない人材を解雇したり、不採算部門をカットしてしまう決断は、心の優しい人には難しい。普通の人であれば、そのような判断に心を痛め、実行に移すことができないだろう。
だが経営者という役職は、こうした他の人がやりたがらない困難な役割を避けられない。もし、すべての人に対して良い顔をして、誰も傷つけず、全員を救済しようとすれば、最終的には会社全体が沈んでしまう。従業員一人ひとりに対する配慮はもちろん必要だが、それ以上に経営者としての冷静な判断と決断力が重要なのである。ストレス耐性が高い経営者ほど、感情に流されずにこれらの決断を下し、結果的に会社全体を守ることができる。
気分の切り替えが大事ストレス耐性が高い人といっても、何でも受け流して何も感じないわけではない。やはり誹謗中傷や攻撃的な態度を受けるとイライラする瞬間はある。そんなとき、こうした人達はもう1つの特徴を持っている。それがストレスを感じたときの気分の切り替えである。
筆者の場合はしんどいときには「寝る」ことで気分をリセットすることが多い。まるで子どものような話だが、精神が揺さぶるようなことがあった日は即座に寝る。夜は脳も体も疲労していることで、物事をネガティブに捉えがちだが、いざ朝になってみるとその悩みもどうでも良くなっていることも多い。