■館長も「だいぶ攻めるな」と驚き
違和感の正体は、ズバリ「キラリ財団」という法人名。「キラリ☆ふじみ」という愛称が公募で決定され、且つ賛否両論を呼んだというのであれば、こちらの法人名はいつ頃生まれたものなのだろうか。
この疑問に対し、矢野氏は「当財団の前身は財団法人『富士見市施設管理公社」と言い、いわゆる地方公共団体の第三セクターです。1984年(昭和59年)より徐々に、市民総合体育館、市内の自転車駐車場、市民プール等の公共施設の管理運営が始まりました」と、その歴史を振り返る。
時は流れ、キラリ☆ふじみ開館の2002年には「管理運営を誰に任せるのか」という点が市で議論され、最終的に同社が管理運営を担うように。以来、現在まで指定管理者(第4期目)として館の運営を任されているのだ。
そして2013年、公益財団法人への移行の際に前出の社名から、現行の「キラリ財団」へと改めることに。
![埼玉で発見された謎の標識、ブッ飛んだ4文字に目を疑う 「それアリなの?」と戸惑いの声も…](https://cdn.moneytimes.jp/800/533/pZeOAPVQgWyEVZuriSbJWSKOrmcalbhK/14e7fdb1-692d-4ddb-bab1-d207dfc0959f.jpg)
改名の経緯について、矢野氏は「移行手続きに伴って実施した公社理事会・評議員会の中で、法人名称について様々な案を出し、議論されて決まったものですが、ありがちな少々長めの法人名案が挙がる会議の中で『もっと分かり易く、短く、キラリ財団でどうか』というひと言が決め手になったと、微かな記憶があります」と語る。
開館当初は名称が疑問視された「キラリ☆ふじみ」だが、当時は既に約10年に渡って運営された実績があるほか、同館の運営が主軸となっていた状況にも後押しされてか、同社は「キラリ財団」として再スタートを切ることに。
当時の心境について、矢野氏は「『だいぶ攻めるな。仕事の際、相手に対して少々声に出しづらい感じになってしまったな』と、少々ネガティブな思いがありました」と、ぶっちゃける。
続けて、「しかし今ではこの名称も馴染み、誇りさえ持てるようになっています」と、微笑ましい心境の変化を笑顔で語ってくれた。
今回、多くの人が「キラリ☆ふじみ」に注目した件については「そもそも文化施設と分かりづらい外観ですから、話題となった交差点標識を目にした方でも『その先には何か、得体の知れない建物があるな』という印象を抱くか、あるいはその存在にも気づかれないものと思っています」と、やや自虐気味な分析が。
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その上で、「しかしその内側では、開放的な空間や多様なジャンルの催しで皆さんをお待ちしていますので、ぜひ一目覗いてみて頂きたいと思います」とのコメントを寄せてくれたのだ。
日頃から様々な利用がある「キラリ☆ふじみ」では、開館当初から芸術監督を置いているほか、多様なアーティストが滞在し、館オリジナルの作品を創作する活動も盛んに行っている。
主催事業の「サーカス・バザール」(7月開催)や「ふじみ大地の収穫祭」(11月開催)といった交流事業では、館中央にある「カスケード」等の開放的な空間を使ったイベントも行い、出会いや交流の場として機能しているという。
一度訪れれば、名前に対する違和感がなくなるどころか「この名前しかあり得ない!」と感じられることだろう。
【施設詳細】
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「富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ」
埼玉県富士見市大字鶴馬1803番地1