■手を振られると嬉しい?
自衛官が駐屯地を出て公の場に立つとき、彼らは自分たち一人ひとりの行動が、自衛隊全体の信頼性に直接影響を与えるという事実を理解している。このため、市民から突然声をかけられるなどの接触がある場合、それが時や場所、状況に適していないと感じる場合は反応を避けることがある。
とはいえ自衛官も人間であるので、手を振られたり感謝を伝えられると嬉しい気持ちになるのは事実である。筆者の部下だった隊員は「国民の方々から手を振られたり、笑顔や感謝を伝えられると、やりがいを感じ気が引き締まります」と語っていた。
自衛隊は国民との信頼と協力が重要な要素であり、市民からの支援や、感謝の表れとして手を振られると、それは自衛官にとって何よりも嬉しいことである。筆者も、手を振ってくれる子供たちに何度も癒された。
■自衛隊車両を撮影してもいい?
自衛隊のイベントに参加した際、許可されたエリアにある車両を撮影することは問題なく、公道走行中やサービスエリアなどでの撮影も法的に問題はない。
しかし、災害派遣などの任務や訓練の場合もあるため、撮影する前に声をかけて許可を得たほうが望ましいだろう。中には存在を明らかにされてはいけない部隊や装備もあるため、注意が必要である。
また、自衛官個人については肖像権や保全などの問題もあるため、無許可での撮影は控えてほしい。ただし、民間への協力や理解促進、広報といった観点から記念撮影に応じることもあるため、念のため確認してもよいだろう。元自衛官の立場からすると、名札や階級章、部隊章などの個人が特定できるものは、ぼかしたり隠したりするよう配慮していただければ幸いだ。