■「ガンのリスクを高める」

古くから伝わるこの説を検証することに。金沢のメンズヘルスクリニック「Gran Clinic」の小倉慶雄(よしお)院長に話を聞いた。

小倉院長は「焦げたものを食べることは、ガンのリスクを高める」と指摘する。

「パンや肉を焼いた時にできる『焦げ』は、熱によってアミノ化合物や糖がメイラード反応という複雑な化学反応を起こすことで発生し、褐色物質や香気成分の生成が行われます。その中に、複素環アミンと多環芳香族炭化水素という2つの発がん性物質が生成されます。これらの化合物は、ガンを発症させるだけでなく、複素環アミンは神経毒で振戦(震え)を引き起こすこともあります」(小倉院長)。

■日常食べる程度なら問題ない?

古くからの言い伝えは正しかったことになる。そうなると、焦げたものを食べるとすぐに体調が悪化するのか。

こちらの疑問をぶつけたところ、小倉院長からは「焦げた部分を体重の4倍以上大量に摂取しなければ、ガンは発生しないとされています。これは、毎日1トン以上の焼き魚を100年間食べ続けた量に相当するので、日常食べる程度ではガンはできないと考えられます」という回答が寄せられている。

焦げによってガンの発生が増加すると考えられるものの、現時点ではただちに特定のガンにつながるとは考えにくいという。