■「強制がなくなった」
都内で働く50代の会社員男性も、「とりあえず生」が薄れていると話す。「最近の若い人達は、一杯目からハイボールを頼み、ビール自体あまり飲まないイメージです。私たちが若い頃は、みんながビールのジョッキを持って乾杯するのが恒例だったので一体感のようなものがありました。ここ数年でその辺りが変わったので個人的には少し寂しいですね…」(50代の会社員男性)。
芝浦工業大学教授で若者事情に詳しい原田曜平さんは、こうした傾向は10年ほど前から徐々に強くなっていると指摘する。「さまざまな理由がありますが、社会からの強制がなくなっていることもその一つだと思います。例えば、20年前であれば上司から『俺の酒が飲めないのか』『一杯目はビールだろ』と圧力をかけられたり、直接的に言われなくても暗黙の了解のような雰囲気があったかもしれません。ただ、今はそういうことを禁止される時代になっています」(原田さん)。
ここ数年、パワハラに対して厳しい世の中になったのはご存知の通り。上司が若い社員の頼むお酒に物申すと「アルコールハラスメント」(アルハラ)認定される可能性がある。