■最小限の被害で食い止めたのは不幸中の幸い

陸曹2人が亡くなってしまったのは大変悔やまれるが、弾薬交付所を占領されることなく逮捕できたのは不幸中の幸いである。もし弾薬交付所が占領されていたら、数千発の実弾が男の手に渡っていたので、考えただけでも恐ろしい。

今後自衛隊は再発防止のため、射撃実施間の射撃場の施錠や警戒、通信を確実に行い、弾薬交付所に関係隊員以外を近付けることがないように留意してもらいたい。実弾を携行している準備位置に交代係が1人しかいないのも問題だ。

また射撃場に限らず、全自衛隊施設の施錠や解錠には顔や静脈認証、ICチップなどを併用し、事故防止に全力で努めるべきである。増額した防衛予算の使い道の一つは自衛隊のDXなど、アナログな原始時代的組織体質の改善ではなかろうか。