遠い昔、地球にも土星のような輪っかがあったのかもしれません。

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の最新研究で、約4億6600万年前の地球に、無数の隕石断片からなるリングが存在したとする説が新たに提唱されました。

「まさか⁈」と疑いたくなるような大胆な仮説ですが、研究者らによると、あらゆる証拠が”地球のリング”の存在を指し示していたとのことです。

研究者たちは一体何を見つけたのか、その謎に迫ってみましょう。

研究の詳細は2024年9月12日付で科学雑誌『Earth and Planetary Science Letters』に掲載されています。

目次

  • 赤道だけに集中したクレーターの謎
  • どうやって地球に「リング」ができたのか?
  • オルドビス紀の寒冷化はリングが原因だったのかも?

赤道だけに集中したクレーターの謎

ことの発端はクレーターの奇妙なパターンが見つかったことに始まります。

実はこれまでの研究で、約4億6600万年前の古生代・オルドビス紀には、隕石の衝突が数千万年にわたり突如として急増していたことが知られていました。

隕石が惑星に落ちること自体は何も珍しいことではありません。

地球には今でも毎日のように大小さまざまな隕石が飛来しています。

ただ不可思議なのはオルドビス紀に落下した隕石の位置でした。

通常、隕石が落ちる場所はランダムであり、それは月や火星を見て、至るところにクレーターが分布していることからもわかります。

ところがオルドビス紀の隕石痕は不思議なほど赤道付近に集中していたのです。

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オルドビス紀に隕石落下が急増 / Credit: canva

オルドビス紀は5億年近く前のことですから、大陸の形や配置も今日とはまったく違います。

そこで研究チームは今回、あらゆる地質学的データを駆使して当時の大陸マップを再構築し、オルドビス紀の隕石群がどこに落ちていたのかを分析しました。