SAVE Actは、単なる宣誓だけではなく、連邦選挙の有権者登録時に米国の市民権を証明する書類を提示することを有権者に義務付けることになる。証明書類もREAL IDに準拠した証明書・有効な米国のパスポート・軍歴証明書など明確に定義されることになる。
また、各州の選挙管理組織は、国土安全保障省が管理するSAVEへのアクセスを許可する条項も盛り込まれる。これにより、各州は投票者に市民権があるかを容易に確認できるようになる。
今年7月にもジョンソン下院議長は市民権をもたない米国人の投票がいくつかの州の選挙結果を左右することになったという調査結果を用いて、SAVE Actの可決を呼びかけていた※5)。
民主党からの主な反対理由は市民権をもたない米国人の投票は既に禁じられているのに厳しい義務を入れる必要はないというものだ。公民権活動団体からの反対理由としては、SAVE Actマイノリティ・有色人種コミュニティの投票を妨げるものになるとして民主党議員に反対票を投じるように書簡をだしている※6)。
現在のつなぎ予算に反対している共和党議員今回は下院共和党議員の中でも、複数のグループが反対しており、10数人ほど反対する議員がいる※7)。ジョンソン下院議長に対決姿勢を示してきたフリーダムコーカスは、下院共和党議会指導部にSAVE ACTをつなぎ予算に盛り込むという要求をのんでもらったので、今のところは静かだ。
① Defense hawks(国防タカ派) 下院軍事委員会委員長のロジャース議員は、「2025年も含まれるつなぎ予算なら、反対する」と発言した※8)。来年もつなぎ予算にするのは国防にとって懸念が多すぎるということだ。
さらに、1月1日までに歳出法案が可決されないと、昨年バイデン政権と共和党下院議員の間で合意したthe Fiscal Responsibility Act of 2023による予算を削減するプロセスが開始し4月30日になってもつなぎ予算ならば削減が行われることになる。オースティン氏は、これにより国防総省は2025年度予算要求から420億ドルを失う可能性があると述べた※9)。