栄えある1位は、今年8月にサンフレッチェ広島に完全移籍で復帰したMF川辺駿。中学時代から広島の下部組織でプレーしていた川辺は高校1年時で既にスタメンに定着しており、高円宮杯プレミアリーグで2年連続の日本一にも貢献している。高校3年時にはトップチームに2種登録され、J1リーグで3試合の出場を果たした。

翌2014シーズンよりトップチームに昇格するも中々出場機会に恵まれず、ジュビロ磐田へとレンタル移籍。磐田での活躍が認められ、3年ぶりに広島に復帰を果たすと2年目の2019シーズンからは不動のレギュラーとして安定したパフォーマンスを見せていた。その後、2021年7月にスイス1部のグラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍。半年後にはイングランド1部のウルバーハンプトン・ワンダラーズに完全移籍を果たす。しかし労働ビザ等の問題もあり、そのままグラスホッパーズにレンタルという形で残留し、2年間で出場した66試合で16ゴールをマークする好成績を収める。2023年からは、かつてGK川島永嗣(ジュビロ磐田)も所属したベルギーの強豪スタンダール・リエージュへと移籍。その年に6ゴールをマークしチーム内での得点王となっている。

今年8月、推定約5億円ともいわれる移籍金を投じた広島が完全移籍で川辺の復帰を発表。これにより日本への帰還を果たした川辺は、直近の第30節鹿島戦で結果を残した。

相手DFの股抜きからペナルティエリア内で待ち構えていたMF松本泰志へとラストパス。これを松本が冷静に決め、広島が一時勝ち越しとなる得点をアシスト。川辺が海外で得た経験や技術がチームにもたらす効果は絶大なものとなるであろう。優勝争いもいよいよ最終局面を迎える。川辺は広島の救世主となることが出来るのか。注目が集まる。