皮膚に埋もれてしまった指輪
指輪による指の腫れは医療現場では決して珍しくない。こうした症例についてアメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)が報告した論文を紹介しよう。
患者の49歳男性は、左手の人差し指の付け根に指輪が食い込んだ状態で救急外来を受診した。彼は、統合失調症とうつ病を長く患っていた。3か月前、彼は左手の人差し指に小さな切り傷があることに気づいたが、医師の診察を受けなかった。その後、指が腫れてきて徐々に悪化した。痛みが増し、指を曲げられなくなったため、来院した。
指輪は完全に人差し指の皮膚に埋もれてしまっていた。感覚異常が発生していて、指を曲げる役割を担う屈筋腱の一部が機能していなかった。皮膚に覆われた指輪は従来の方法で除去できなかった。
患者は、指輪を除去するための外科手術について説明されたのち、逃亡した。6週間後、彼は再び来院し、手術によって指輪が除去された。術後は傷口が十分に洗浄され、経口抗生物質が処方された。追跡調査では、感染症にかかることなく傷は治癒し、指の腫れは解消され、感覚も回復した。しかし、指を最小限歯科曲げられなくなった。