自然保護団体「オージー・アーク」は5日、絶滅危惧種のタスマニアデビルをオーストラリア本土の野生に戻すことに成功したと発表しました。
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黒い悪魔の二つ名をもつタスマニアデビルは現在、タスマニア島にのみ生息しており、本土への帰還は約3000年ぶりとなります。
オージー・アーク代表のティム・フォークナー氏は「10年以上にわたりタスマニアデビルの再導入計画を続けてきて、最初の目標を達成できたのは夢のようだ」と話しました。
目次
タスマニア島にしかいない理由は?
26匹が本土に帰還!
タスマニア島にしかいない理由は?
肉食性の有袋類であるタスマニアデビルは、体長50〜60センチ、体重8〜12キロと小柄ですが、かなり気性の荒い動物です。
人や家畜を襲うことはありませんが、他の小動物を狩ったり、大型動物の死肉を食べたりします。
野生のタスマニアデビルはかつて、オーストラリア本土にも生息していましたが、野犬のディンゴとの争いに破れ、約3000年前頃に絶滅しました。
また、人が大型動物を過剰に狩猟したことで、タスマニアデビルの食料がなくなったことも一因と言われています。
一方で、タスマニア島にはディンゴがいなかったため、生き残ることができたと言われています。
ところが、1990年代まで約15万匹いたタスマニア島の個体群も、顔に腫瘍ができる伝染病の流行により、大部分が死滅。結局は、2万5000匹ほどまで激減していました。