米国では銃による事件が後を絶たない。最近の事案としては、7月にドナルド・トランプ前大統領が東部ペンシルベニア州で演説中に撃たれる暗殺未遂があった。また、9月上旬には南部ジョージア州の高校で銃撃事件が発生し、生徒と教員の計4人が犠牲になった。そのほかにも、ショッピングセンターやドラッグストアといった不特定多数の人が日常的に利用する場所でも銃撃あるいは銃を使った強盗事件などが発生しており、銃の浸透が脅威となっている。
社会から銃を一掃することは難しいなかで、米ZeroEyesは銃による悲劇の抑制に貢献するソリューションとして、カメラがとらえた映像からAIで銃を検知するというプラットフォームを手がけている。同社はこのほど、小規模の企業や個人住宅向けにもサービス提供を開始した。これにより、「監視カメラを1台しか設置していない」といった小さな店舗や公園などでも、既存のカメラをそのまま活用してリアルタイムでの銃検知を利用できるようになった。
AIで映像をスクリーニング、銃を検知
ZeroEyesは、設置したカメラがとらえた映像を人工知能(AI)でスクリーニングして銃を検知するプラットフォームを手がけている。すでに米国42州の多くの顧客に利用されているが、これまでは政府機関や教育機関、コミュニティ施設など大口の顧客を相手にしていた。そして今回、家族経営の商店やガソリンスタンド、小さなレストラン、託児所など、そして個人住宅でも利用できるようになった。
同社のプラットフォームでは、カメラ内部にコンピューターを搭載するIPカメラ(ネットワークカメラ)の映像をリアルタイムに分析することができる。店舗などに設置されているカメラは多くの場合、監視や記録に使われているが、そうしたカメラにソフトウェア「ZeroEyes One」をインストールすることで、銃を検知して警察にすぐさま通報するというアクションにつなげられる。同社によると、この手のサービスは初という。