また銀行や証券会社は利息の源泉税支払いや株式売買におけるキャピタルゲイン課税や配当金の課税を総合課税のような形ではやりません。そのため、上記の仕組み同様、2月末までに各個人宛「利息支払い証明」や「キャピタルゲイン金額の証明」「配当金の証明」が発行されます。

全ての収入がある人はこの頃から4月末にかけて確定申告をするのですが、申告方法の基本は税務当局が公認している市販の確定申告ソフトを使います。単純申告の場合にはソフト使用料は無料ですが、キャピタルゲインやその他もろもろの収入がある人はおおむね4-5000円程度のソフト使用料が毎年かかります。

ソフトにアクセスし、自分のアカウントに入るとソフトが「税務当局と情報をリンクさせてもよいですか?」という案内が出るのでOKをすると瞬く間に勤め先が発行した収入証明や銀行、証券会社からの支払い証明が自分のアカウントにダウンロードされます。

収入の分が自動で確定しない場合は手入力しますが、基本は全自動です。ここからは税金の控除の部分を自分でインプットしていきます。ソフトが一つずつ質問をしてきます。例えば老齢年金の支払いをしたか、カナダ国外からの利息などの収入において当該国に源泉税を払ったか、寄付金をしたか、子供が生まれたか…などいろいろです。このプロセスにおいて税金の控除という仕組みを体得できるのです。あぁ、こうやれば合法に節税できるのか、と。

全部終わると見込み還付額ないし、見込み納税額が表示されるので支払いの場合は可及的速やかにその表示額をオンラインで税務当局に払います。還付の場合はおおむね1か月程度で自分の口座に振り込まれる、そんな仕組みです。私の場合は還付の際、現金を返してもらうのではなく還付相当を次年度の源泉分に引き当てるようにしています。というのは通常は前年度に納税不足で支払った金額について翌年は分割納税を求められるからです。給与所得の場合は所得税が源泉されるので良いですが、私のように会社からの配当金がある場合、源泉されないので確定申告の際、多額の税額が請求されてしまうのです。それを避けるために年4回に分けて分割前納するのです。