ニュアンスが似ているために混同されがちですが、「独りが好き」という特性と、「社会的孤立」という状態は異なる概念です。対人問題から独りでいることを自発的に選んだとしても、それが社会から孤立する状況を生んでしまうと、話が変わってきます。

「独りでいた方が楽だ」と感じていても、それは仲間がいる上で独りになることに対してなのであって、社会的に孤立してしまえば幸福感や喜びが薄れ精神的な健康を害する結果を生んでしまいます。

また、今回の研究からは、独り好きが人付き合いの煩わしさから生じる可能性が高いことも示されました。

独り好きにも様々な理由(自分の趣味に没頭したいなど)があるでしょうが、「人付き合いの煩わしさ」から独りでいる時間が長くなっている場合は特に注意が必要かもしれません。

たとえ人付き合いが苦手だから独りでいることを選んでいたとしても、頑なに孤立した状態でいないように、ある程度誰かと繋がりを持っておくことが幸福のためには大切なようです。

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参考文献

<プレスリリース>「独り好き」志向性とこころの健康 ―「独りでいることを好む人」でも孤立の悪影響は緩和されない可能性が明らかに―
https://www.tmghig.jp/research/release/2024/0904.html

元論文

Preference for solitude paradox: The psychological influence of social isolation despite preference
https://doi.org/10.1016/j.jad.2024.08.020

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部