しかし、地上性のタランチュラが剛毛で身を守る一方で、樹上性のタランチュラはまた別の面白い方法を取っていました。
樹上性のタランチュラは「忍者スタイル」でアリを回避!
実は樹上性のタランチュラは、地上に巣穴を掘る種に比べて、体毛が薄いことが知られています。
しかし樹上にもグンタイアリはいるため、剛毛シールドとは別の生存戦略を取らなければなりません。
そこでチームが南米ペルーで野外観察をしたところ、樹上性のタランチュラは実に面白い戦略を取っていることがわかりました。
彼らはグンタイアリが近づいてくるのをいち早く察知すると、クモ糸で作った巣穴を出て、前足の先っぽで葉の縁にぶら下がり、忍者のような奇抜な方法で身を隠していたのです。
グンタイアリの足音が遠ざかると、また葉っぱの上に戻っていました。
※ 実際の画像はこちらです。苦手な方は閲覧にご注意ください。
地上の種とは違って剛毛がないので、彼らはこうしたアクロバティックな生存方法を見つけたのでしょう。
このようにタランチュラは危険なグンタイアリと共生関係を築いていたのですが、また意外なことにカエルとも仲良しだったことが判明したのです。
意外すぎ!カエルとは「マブダチ」だった?
ザマニ氏らはタランチュラと同じ生息環境にいる他の生物たちとの関係も調べたところ、驚くべきことに、カエルとは非常に友好的な交流を楽しんでいること多いと判明したのです。
チームは世界10カ国における60件以上のタランチュラとカエルとの相互作用を調べ、お互いに恩恵を受け合っていることを特定しました。
ザマニ氏によると、カエルはタランチュラの巣穴に逃げ込むことで、天敵から身を守るためのシェルターとして利用していたといいます。
一方でカエルはその見返りとして、タランチュラの巣穴や卵、子供にとって有害な害虫を食べていたのです。
タランチュラの方もカエルの存在を認めており、すぐ側にいても襲うことなく、友好的に共生していました。