旦過市場は大正時代に近くを流れる川を伝って船が荷揚げした商品をここで売ったことに端を発し、市場として整備されました。昭和30年代には今の形になったと言われ、神嶽川に突き出した長屋の中で多くの店舗が軒を連ねています。

焼失したエリアの様子。

ただ、この建物の形状が仇となり、2022年に起きた2度の新旦過横丁、旦過市場での火災事故では多くの店舗が類焼し被害が広がりました。トタン屋根が上からの放水を妨げる形となったことも被害が大きくなった原因といわれています。旦過中央市場入口の向こうにも多くの店舗がありましたが焼失、営業ができない状態になっています。

復興を願う「タンガレンガ広場」では小倉城の葺き替えの際の瓦を活用して復興を願う多くのコメントが寄せられています。

多くの店が失われましたが、その一部が仮設の店舗「旦過青空市場」に戻り、復興に向けて動き出しています。

青空市場の中に店を構える燻製屋「いぶしや」さんでJagabeeの燻製を買いました。これから新幹線で帰るので肉や魚は買えないのですが、これなら道中の酒のつまみになります。

昭和感満載のレトリックな町並みですが、2度の火災を出した町の構造を見直す必要性は避けることができず、旦過市場は旦過駅近くのビルに集約される予定です。防火体制を強化することは避けられず町の形は変わりますが市場がなくなるわけではありません。安全で新しい旦過市場に期待したいと思います。

旦過市場を出て、最後に訪ねたのは小倉城。小倉駅の西に建つ城で駅から徒歩でのアクセスも可能です。江戸時代初期に細川忠興氏が築城したものです。九州各地に向かう交通の要衝であり、諸大名を監視する場所として重要な地位を築いていきました。最上階はその下の階よりも広い面積となっている「唐づくり」の珍しい様式です。

残念ながら城に立ち寄るまでの時間はありませんでしたので外からのみの観覧にとどめ、近くの八坂神社に参拝しました。