使っている言語によって”世界の見え方”は変わるようです。

ノルウェー科学技術大学(NTNU)はこのほど、リトアニア語とノルウェー語のバイリンガル(二言語話者)を対象に、今使っている言語によって色の感じ方がどう変わるかを調査。

その結果、どちらの言語を使うかで、青色の濃淡の感じ方が瞬時に変わることが明らかになりました。

言語は私たちの感覚にも影響を与えているようです。

研究の詳細は2024年5月2日付で学術誌『Language Learning』に掲載されています。

目次

  • 使う言語で「世界の見え方」は変わるのか?
  • 言語を切り替えると「色の知覚」が変わった!

使う言語で「世界の見え方」は変わるのか?

「言語が世界の見え方を形作る」という考えは、何十年も前から研究者たちによって議論されてきました。

有名な仮説に「サピア=ウォーフ仮説」があります。

これは「使う言語が変わると、物の見方や概念のあり方も変化する」という考え方です。

つまり、日本人である私たちは「日本語」という枠組みを通して身の周りの出来事を認識し、物を考えているので、日本人は日本語に根ざした知覚や思考をしていることになります。

研究チームは以前からこのトピックに関心を向けており、最新の研究で「使っている言語が変わると本当に世界の見え方も変わるのか」を検証することにしました。

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Credit: canva

調査対象としたのは、リトアニア語とノルウェー語の両方を話すバイリンガルです。

特にここでは「青色」の表現に注目しました。

ノルウェー語で「青色」を示す言葉は「ブロー(blå)」という1語だけだといいます。薄い青色も濃い青色もブローです。

一方で、リトアニア語で「青色」を示す言葉には「メリナ(mėlyna)」「ジードラ(žydra)」があります。

メリナは濃淡の強い紺色のような青を指し、ジードラは薄くて明るい空色のような青を指す言葉です。