また、久保と南野が中国代表の3セントラルMF各選手の斜め後ろから何度も顔を出し、味方センターバックからのパスを呼び込む。これにより中国代表の守備ブロックが崩壊した。

迎えた後半7分、中国代表のセントラルMFリー・ユェンイーの斜め後ろに立っていた南野が、センターバック町田からの縦パスを受ける。ここから日本代表のサイド攻撃が始まると、左ウイングバック三笘とのパス交換で敵陣ペナルティエリアへ侵入した南野がゴールを挙げた。

後半13分には町田から最前線の上田へ縦パスが送られ、このこぼれ球を拾った南野がゴールゲット。この時点で試合の趨勢が決した。


伊東純也 写真:Getty Images

アジア杯離脱の伊東純也も躍動

今年1月から2月に開催されたAFCアジアカップ期間中に性加害疑惑が報じられ、同大会からの離脱を余儀なくされたMF伊東純也が、後半18分に投入される。アジアカップを最後に代表招集が見送られていた同選手を、約5万人の観衆が万雷の拍手で迎えた。

温かい拍手で迎えられた伊東は、ゴールという最高の結果でファンの期待に応える。後半32分、同選手が久保の横パスを受けた後にペナルティエリア内でシュートを放つと、これが相手選手に当たってゴールマウスへ吸い込まれた。

後半42分には右ウイングバック伊東が同サイドから鋭いクロスを繰り出し、途中出場のFW前田大然(左ウイングバック)のゴールをアシスト。アディショナルタイムにも伊東の横パスを受けた久保が強烈なシュートを突き刺し、大勝劇に花を添えている。攻守両面において隙が無かった日本代表が、W杯アジア最終予選で最高のスタートを切った。