「良い混合気」とはエンジン内部で爆発させる燃料と空気の混ざった気体(ガス)のことで、特に燃料と空気の割合である空燃費を理論空燃費に合わせることを指します。
理論空燃費と呼ばれるこの割合は「空気:ガソリン=14.7:1」となっており、1のガソリンを完全燃焼させるために必要な空気量が14.7必要ということです。
最近のエンジンでは必ずしも14.7に設定されるわけではなくリーン燃焼やリッチ燃焼などで空燃費を調整してさまざまな性能を引き出すことがありますが、いずれにしてもガソリンエンジンは燃料と空気の割合をしっかりコントロールする機構が必要です。
昔のバイクではキャブレターという機械式の気化器によって燃料の割合をコントロールしていましたが、細かな調整が難しいこともあり排気ガス規制に対応できなくなりました。
そこで現在は燃料の噴射量と空気量を電子制御で細かくコントロールする方式が主流になっており、インジェクションと呼ばれる電子制御式の燃料噴射機構をコンピューターで調整しています。
インジェクション式は現在大型のバイクだけでなく原付など小型のバイクまで幅広く普及しており、良い混合気を生み出すために走行状態に合わせてバイク自身が細かくコントロールすることで最良の状態を保っています。
以前のキャブレター方式では調整が少しでも狂うとバイクの走行状態が悪化したものですが、インジェクション方式ではほとんどそういった問題はなく、不具合がでるとしたら経年劣化で燃料噴射機構が故障するなどが主な原因になります。
まとめ
バイクのエンジンはガソリンエンジンが主流となっていますが、ガソリンエンジンには正常なエンジン動作を左右する3つの要素があります。
いずれの要素もエンジンの設計段階で最良の状態になるよう設計されていますが、バイクが経年劣化していたり整備不良による問題を抱えているときにはこの3要素が崩れてバイクに何かしら不具合が出ますので、一度点検してみると良いでしょう。