今回の線路の付け替えはその不便さを解消するためでもあり、2022年をもって工事が完了、鷹見口やA・B番線は廃止されることとなりました。

鷹見口があったあたりから新しくなった折尾駅を望みます。かつての線路は消え、再開発の工事中です。

中に立ち入ることはできませんが、A・B番線の痕跡が残っていました。4年前は現役でここに立ち入ったことがあるんだなと思うと何とも言えない気持ちになります。

旧鷹見口のすぐ近くにはレンガ造りの橋がありました。これもいかにも鉄道の廃線跡のにおいがします。

れんが橋はまっすぐ折尾駅に向かっています。

そのにおいは正解で、2000年までここを走っていた西日本鉄道北九州線が使っていた軌道の跡です。ねじりまんぽの形状のトンネルは京都・蹴上にあるものと同じ形状。これだけの規模のものが残っているのは珍しいです。

駅を中心にした再開発により新たに生まれ変わりつつある折尾駅周辺ですが、江戸時代に黒田家が中間市の遠賀川から洞海湾に向けて掘った堀川運河沿いの町として発展してきました。今も駅のすぐ近くに運河が流れ、昭和を彷彿とさせる店舗が軒を連ねています。新しいものと古いものが混在している町です。

新しいものと古いものの混在といえばもうひとつ。新しくなった折尾駅ですが、今ではほとんど見られなくなった駅弁の立ち売りが今も見ることができます。ホームではなく、コンコースで声をあげて弁当を売り歩きます。ここで売った方が効率がいいですね。折尾駅のかしわめしは全国的にも有名な駅弁です。

旧いものを残しつつも新たに生まれ変わる折尾駅界隈。今も絶賛工事中です。北九州の鉄道の結節点として今後どのように発展していくのか、楽しみに見守っていきたいと思っています。

編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年9月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。