現在の折尾駅前広場には、使われなくなったレールが敷かれたままになっています。これは付け替え前の筑豊本線の線路の一部。かつてはまっすぐ今の折尾駅舎に向かって線路が伸び、鹿児島本線と立体交差していました。

折尾駅の構内に2本の線が敷かれていますが、これも筑豊本線がもとはここに走っていたという証。いかに折尾駅にとってかつて両線が立体交差であったことが重要であったかを物語っています。

折尾駅構内にも実際に筑豊本線が走っていた線路が残され、アクリル板越しに見ることができます。

こちらは2020年3月の写真。このころには筑豊本線は既に新線に付け替えられていましたが、線路やホームは残されていました。もう少し早く来ていればここを走る筑豊本線の姿を見ることができたのに残念です。

先ほども触れましたが、かつての折尾駅は筑豊本線短絡線の改札口「鷹見口」が150メートルほど離れた場所にありました。同じ駅でありながら一旦改札を出て外を歩いていかないとたどり着けない特殊な構造となっていました。鷹見口は矢印の方角にあります。

こちらが現役の頃の鷹見口。写真に写るのは息子です。改札を通ったところ、駅員さんにこの時間は電車来ないですよ、と止められました。見学ですと言って通してもらいました。

折尾駅「A番線」ホーム。

こちらが鷹見口から入った先にあるホーム。他のホームと離れていることを明確に示すため、A・B番線という特殊な名前で呼ばれていました。

こちらがその当時の時刻表。特殊な扱いのホームといいながら、結構電車がやってきます。

近年、博多から篠栗線、筑豊本線を経由して折尾から鹿児島本線に入るルートは「福北ゆたか線」と呼ばれる福岡・北九州地区の通勤・通学路線として路線を増強してきており、それらの列車がこのホームを使っていました。ただ、折尾駅から直方方面に向かう列車は150メートル離れた他のホームから出ているものも多くあり、乗客にとってはどちらから発車するかわからず使いづらい駅になっていました。