なのでその頃、台湾のメーカーが『客家円楼』というボードゲームを出していたのは、結構気になってました(中華民国では、客家は「四大族群」のひとつをなす民族カテゴリー)。一部、欠陥あり要交換の製品があるとの情報に臆して、買うのは見合わせちゃったのですが……。

家族祭祀と集団生活の雰囲気がある! レアなゲームは初出で買わないと再版されないので、失敗したかな(涙/ヘッダー写真も上記ブログより)。

2011年の『中国化する日本』の頃からずっと書いていますが、日本って伝統的に(正確には江戸時代から)「小家族・小経営」の社会で、隣近所どうしでの競いあいが結果的に、近代に工業化する局面でも貢献しました。

ところがその果てにたどり着いたのが、狭い国内で「そこまで見栄を張りあう意味ってあります?」な過当で無意味な競争(日本のナチュラル・ネオリベ)であり、もう小家族ですらダルいから生きるも死ぬもひとりでいいっすという「ソロ経営」の社会だったんですなぁ。

長いこと格差社会とか、孤立・無縁社会のように騒がれてきたのは、要は「小家族という単位でのケアを前提にした福祉の限界」のことなので、これから必要になるのは、なんらかの大家族的なモデルーーただし文字どおりの血縁ではなく、悪い意味での家父長制に陥らない居住のあり方だと、ずっと思ってるんですよね。