使い残しの背景には、防衛装備庁における契約の仕方や会計業務の能力の問題というより、受注する国内企業の事情があると思います。

輸入を優先すれば良かった。3年ぐらい細々と買っている輸入品をまとめ買いすればよかった。その間に国内企業の生産拡大体制を整えればよかった。

防衛装備庁は当事者の能力がないのでそれができない。「防衛装備庁における契約の仕方や会計業務の能力の問題」という事実を直視しないで逃げている。

目標とする性能と設定期間内での達成を「成功」とし、5年の目標に6年かかれば「失敗」とするような評価の仕方を取り入れるべきです。

これをやると企業は「できる簡単な開発」しかしなくなります。技術開発を舐めているとしか思えません。

防衛省が従来の組織の中でDARPAやDIUのような手法を取り入れようとすると極めて窮屈になるので、既存の枠から離れて円滑に進める狙いから、イノベーション研究所の設立を決めたと思います。先進的な技術について、テーマごとにプロジェクトチームを編成し、チームごとに技術研究開発を推進していく流れになるでしょう。

無理です。

装備庁に目利きのできる人間はいません。メーカーでものづくりをした経験もない。目利きでいれば商社から有能な人間をヘッドハントしてくるべきです。

ぼくが問題にするまで技本の海外視察予算は100万円以下でした。しかも大半が退職前の偉い人の卒業旅行でした。それが解消されても、未だに装備庁の人間は見本市を有効活用する能力がない。せっかくパビリオンを出しても、その管理だけに人をだしているだけで、パビリオンを拠点に10人単位で人間を派遣して情報を収集や情報交換といったことをやる気はない。

だから18式防弾ベストみたいなクズを一桁高い調達価格で「開発」し、調達計画ありませんとか言えるわけです。この期に及んでもプレートキャリアもなく、採用したプレートはわざわざSAPI規格からはずしているし、重たくて防弾性能が低く、しかも衝撃吸収が考慮されていないので小銃で撃たれたら死にます。