SPDのエスケン共同党首は信号連立政党の選挙での壊滅的な結果について、「連立政権内の悪いコミュニケーションだ。政権内の多くの対立が過去、公然と行われてきた」と指摘し、移民・難民政策や予算問題での政権内の争いが国民に政権離れをもたらしたわけだ。ただし、現連立政権はビジネス・アズ・ユージアルで継続していくという。

一方、緑の党のラング連邦共同党首は2日、記者会見で「選挙結果を受けて今後は社会的安全保障やより良いコミュニケーションに重点を置く」と発表している。東部2州議会には議席を有さないFDPのリントナー連邦党首(財務相)は2日、連邦政府の継続を支持することを表明しているが、同党内には「わが党は連立政権から離脱すべきだ」と主張する声が高まっている。ただし、与党3党の指導部は現政権の継続で一致しているわけだ。

バイエルン州のゼーダー州首相(キリスト社会同盟=CSU)は「東部2州議会選の選挙結果はわれわれにとって転機だ。AfDが最強の勢力となった選挙結果は私たち全員にとって真の警鐘であるべきだ。これまで通りの方針を続けるわけにはいかない」と述べ、「信号連立は終わりにしなければならない」と強調した。

AfDのワイデル共同党首は「国民は連邦レベルに総選挙を願っている」として、「ショルツ首相は連立相手と共に結果を受け入れ、荷物をまとめて退陣すべきだ。国民は新しい政府を求めている」と述べている。

ちなみに、極右AfDの躍進について、ドイツ中央ユダヤ人評議会のヨーゼフ・シュスター会長は「ドイツで益々多くの人々が政治的信念からAfDを選んでおり、極右イデオロギーが顕在化している」と指摘、多くの有権者が現政権への抗議票、不満票としてAfDを支持しているのではなく、意識的に極右勢力を支持していることに強い警戒心を持っている。

テューリンゲン州議会選で第1党に躍り出たAfDを率いるヘッケ氏は反憲法、反民主主義、反ユダヤ主義的な世界観を標榜し、ホロコースト記念碑を「恥の記念碑」と呼んだことがある政治家だ。そのAfDが同州で32.8%の得票率を獲得したのだ。特に、若者の間でAfDの支持者が増えている。