そして参加者たちは、意見が同じ2人、または意見が対立する2人でグループを作り、別のトピックに対して相手の意見を推測し合いました。
ちなみに参加者たちは、相手の意見を予測するために、他のトピックにおける相手の回答を最大5つまで受け取ることができました。
また彼らは、自分の推測にどれほど自信を持っているかも報告しています。
この実験により、相手の意見を推測する際の精度や条件などを明らかにできるはずです。
ほとんどの人は反対意見を持つ相手の考えを理解できていると勘違いしていた
分析の結果、参加者たちの「反対意見を持つ人に対する推測」は、往々にして間違っていることが明らかになりました。
いくつかのトピックにおける相手の回答から、その人の考えを部分的に学んでいたとしても、正しく推測できていなかったのです。
しかも悪いことに、相手の考えに対して間違った推測をした人は、自分の推測に対して高い自信を示していました。
つまり人は、自信満々に、「あなたの言うことは分かるよ。○○だと思っているのでしょう?」なんて考えたり話したりする傾向があるものの、実は、その推測は大きくズレている場合が多かったのです。
そのため、誤解した推測を前提に、「あなたはきっと○○と考えているだろうけど、でもね……」と自分の意見を押し通そうとしてしまうのです。
誤解された人からするとたまったものではありませんね。
パートナーや友人、また同僚や上司からこのように、自分の気持ちをわかったつもりで反論され、イライラした経験を持つ人も少なくないでしょう。
ちなみに今回の研究では、主に政治的見解に関する意見の食い違いについて扱われました。
研究チームは、政治的二極化(国民の政治傾向が保守とリベラルのどちらかに偏り、中庸が少なくなること)の原因の1つに、今回の研究結果が関連していると考えています。