予想されたことだが、1日に実施されたドイツ東部テューリンゲン州議会選挙で極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が得票率約32.8%を獲得し、2013年の結党以来、州レベルの選挙で初めて第1党に躍進した。AfDは同日実施されたザクセン州議会選でも「キリスト教民主同盟」(CDU)に次いで第2党についている。AfDの大躍進について、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は「ドイツの政治的激震」と表現している。右翼過激派政党の成功は、戦後ドイツの転換点になったというわけだ。

連邦AfDのワイデル共同党首 同氏インスタグラムより

両州議会選では、左翼党から今年1月に離脱して新党結成した「ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟」(BSW)がテュ―リンゲン州議会選で15.8%、ザクセン州では11.8%の得票率を獲得して第3党に躍り出た。

一方、ショルツ連立政権の社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党は惨敗し、緑の党はテューリンゲン州で議席獲得に必要な得票率5%の壁をクリアできず得票率3.2%で惨敗、SPDはテューリンゲン州6.1%、ザクセン州7.3%と一桁台の得票率に留まった。国政連立3与党の得票率はテューリンゲン州で9.3%、ザクセン州で12.4%に過ぎない。東独地域ではショルツ政権は完全にその政治的影響力を失っていることが改めて明らかになった。オーストリア国営放送は「ベルリンの連立与党3党の得票率は新党BSWにも及ばず、AfDはテューリンゲン州で3党の得票率の3倍近くを獲得した」と評している。同州の投票率は73.6%と高かった。

テューリンンゲン州議会でトップとなったAfDのヘッケ党筆頭候補者は「歴史的な出来事だ。国民は変化を求めていることが明らかになった」と勝利宣言し、州首相に就任する考えがあるか、というメディアの質問に対しては、ヘッケ氏は「もちろんだ」と述べている。