海山の面積は約70平方キロで、周囲の海底から約3109メートルの高さまで隆起しています。

チームはこの海山に多様な深海生物が繁栄していると考え、無人の海底探査機「SuBastian」を遠隔操作して生態調査を行いました。

これに加えて、隣接する9カ所の海山も同時に調査しています。

その結果、今回もまた驚きと魅惑に満ちた深海生物の姿が捉えられました。

それでは深海探査で見つかった生物たちを一挙に見てみましょう。

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フサアンコウ

まずは深海探査でおなじみとなったこちらの魚。

フサアンコウ科の深海魚
フサアンコウ科の深海魚 / Credit: Schmidt Ocean Institute(2024)

前回の調査でも見つかっていたこの生物はフサアンコウ科(Chaunacidae)の一種と見られる深海魚で、真っ赤な体と無数に生えた細い突起が特徴的です。

彼らは胸ビレを使って海底の岩場を歩くように進みます。

この個体は水深1430メートル付近で見つかりました。

キャスパータコ

続いてはこちらの青白い風船のようなタコ。

これは非常に珍しいタコで、2016年に太平洋のハワイ沖で初発見されました。

キャスパータコ
キャスパータコ / Credit: Schmidt Ocean Institute(2024)

しかしそれ以降、生きた標本が採取されなかったため、詳しい調査が進んでおらず、いまだ正式な学名がついていません。

現在は見た目がファンタジー映画『キャスパー』(1995)に出てくるお化けに似ていることから「キャスパータコ(Casper octopus)」と通称されています。

南太平洋で見つかったのは初めてであり、この個体は水深4443メートル付近で捉えられました。

ユメカサゴ

こちらの色鮮やかな魚は、ユメカサゴ属の一種「ヘリコレヌス・レンゲリチ(Helicolenus lengerichi )」です。

ユメカサゴの一種
ユメカサゴの一種 / Credit: Schmidt Ocean Institute(2024)